石岡 圭一
(東京大学大学院数理科学研究科)
余田 成男
(京都大学大学院 理学研究科)
球面上の帯状ジェットの順圧不安定による擾乱の発達に対して,厳密な上限値 を求める二種類の数値的手法を提示した.
その一つは,Shepherd(1988)の手法に基づくもので,領域平均された擬運動量 密度の保存を利用するものである.ここでは,離散化により,変分最小化問題 を準ニュートン法を用いて数値的に解いている.もう一つは,著者らの独自の 手法で,すべてのカシミール不変量および全絶対角運動量の保存則からなる束 縛のもとで最小化問題を解くものである.ここでは,2次計画問題を解くため に,オペレーションズ・リサーチにおける一手法である凸シンプレックス法を 利用している.
これら二種類の手法をいくつかの不安定なジェット分布に適用して上限値を求 め,その上限値を,不安定なジェットからの非線形時間発展を高分解能の数値 モデルによって計算した結果(Ishioka and Yoden, 1994)と比較した.その結 果,得られた二種類の上限値はほとんど完全に等しく,また,これらの上限値 は数値実験の結果の1.2から2.3倍の見積りを与えることがわかった.
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Created: April 9, 1996