A01 成層圏オゾンと大気大循環の変動に関する研究

         研究代表者 廣岡 俊彦(九大)



第1図 九大大循環モデルによるトレーサー追跡実験 (psファイル)
南半球9月1日の場にまいた多くの粒子を1ヶ月余り追跡して得られた 10月5日の分布図。
極渦内の粒子群(赤)の孤立性がわかる。一方、緑と青の粒子群はプラ ネタリースケールで混合されている。これらが、オゾンホールとオゾン クロワッサンの形成の力学的背景になっている。


第2図 オゾンホール実験(1) (psファイル)
北半球で強制的にオゾンを減らした場合の平均温度場の偏差。
南極オゾンホール実験と同様に、春の極夜明けの時期に下部成層圏で温 度が閾値以下のところで、強制的にオゾン消滅項をオゾンの予報方程式 に導入しオゾンを減少させた。下部成層圏のオゾンが減少したことによ り、太陽短波放射吸収が減り、20mb以下での低温化が起こった。それよ り上方の温度上昇は強制的な下降流に伴うもので、力学的に強制されて いる。


第3図 オゾンホール実験(2) (psファイル)
北半球で強制的にオゾンを減らした場合の平均東西風の偏差。
第2図の温度偏差の分布と温度風の関係で結ばれている。また、この平 均風の変化は、プラネタリー波の伝播特性に影響を与え、EP flux の変 化を引き起こす。それが極域の下降流の強化に結びついている。



YODEN Shigeo <yoden@kugi.kyoto-u.ac.jp>
Created: May 21, 1999