=== 京都大学気象学合同コロキウムのご案内 ===

 日時:5月22日(金) 16:30-18:00
         
 場所: 京都大学理学部1号館地球物理学第2セミナー室(462室)
    (http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_n.htm)

 講演者:東 邦昭 氏 
    (京都大学生存基盤科学研究ユニット 特定研究員)

 講演題目:
  「梅雨後期の近畿地方における線状降水帯形成に見られる
   マルチスケール的様相」

 講演要旨:
  大阪湾周辺では幅が10〜20km,長さが100〜200km,降雨強度が
30mm/h以上の線状降水帯が形成されることがある.この線状降水帯
は強雨(本研究では降雨強度が30mm/h以上と定義)をもたらすにもかかわらず,
その形成を事前に予測することが難しく,形成条件を明らかにするために
気象台や大学を中心に事例解析が行われてきた.その結果,線状降水帯
が形成する条件の1つとして寒冷前線が大阪湾を通過することが明らかに
されてきた.しかしながら,例えば2003〜2007年の7月に大阪湾を通過した
寒冷前線は15例存在したが,このうち線状降水帯を形成したのは
2例だけであった.このことから線状降水帯の形成条件として寒冷前線
の通過という条件だけでは不十分であり,他の形成条件が存在すること
が考えられる.本研究ではさらなる条件の1つとして徳島小低気圧
(メソβスケール)の存在を示唆するとともに寒冷前線西側の西風が
大阪湾周辺の山(淡路島,六甲山,その北東の諸山地)を越えることで
風下側の大阪湾および周辺にメソγスケールの山岳波が形成され,
この山岳波をトリガーとして線状降水帯が生じることを示唆した.